映画『サイレントラブ』の主題歌となった『ナハトムジーク』ですが、配信やMVが1月17日に公開となっています。
ミセスの2024年第1弾楽曲の今作のMVは、公開2日で170万回再生を突破するなど、早くも大きな話題となっています。
人気アーティストの新曲だから話題となっていると感じる人もいるかもしれませんが、楽曲を聴けばそれが話題性だけでないことが分かるはずです。
この記事では、そんなMrs. GREEN APPLEの新曲『ナハトムジーク』について解説していきたいと思います。
ミセスの新曲『ナハトムジーク』の魅力
それでは、実際にミセスの新曲『ナハトムジーク』にどのような魅力が詰まっているのかを具体的に挙げていきましょう。
すでに配信やMVも公開されているので、気になった人はぜひ聴いてみましょう。
①大森元貴の作詞の上手さ
楽曲や歌声の素晴らしさは後述するとして、まずは作詞について見てみましょう。
この楽曲の中には、いたるところに「韻」が踏まれています。
ちなみに、楽曲のタイトルとなっている「ナハトムジーク」は、「小さな夜の曲(小夜曲)」という意味を持っています。
・「幾通り」「いつも通り」
・「愛されたいのに」「いつも通り」
・「愛そうか」「あゝ理想だ」
・「愛しいボンクラ」「等しい僕ら」
このように、その歌声や作曲の才能だけでなく、作詞の上手さも秀逸だといえます。
さらに、テクニックだけでなく、心に響く哲学的な歌詞が書けるのも大森元貴の凄さです。
・「矛盾こそ生き抜く為の美だ」
・「無茶苦茶なこの世界を愛そうか」
・「塵みたいなもんでしょう」
・「歩くのが疲れたの?むしろ正常でしょう?」
韻を踏むだけでなく、このような哲学的な歌詞で曲の物語に深みを持たせられるアーティストは、日本の音楽業界広しと言えどもほんの一握りのみだといえます。
②楽曲の良さと歌声の良さ、そして壮大な世界観
冒頭からスローテンポとなっていて、ピアノと大森元貴の美しい歌声で人間の弱い部分を表現しています。
50秒くらいからサビとなりますが、ここでは声を張り上げず得意の裏声で綺麗に歌い上げます。
サビが終わりBメロに入った後もAメロと同じようにスローに進んでいきますが、「矛盾こそ生き抜く為の美だ」というフレーズから一気に世界観と歌い方が変化していきます。
強くピアノを叩く音と共にMVの映像では床を強く叩き、水を蹴り上げるなど内面にある感情を爆発させていくのです。
2番のサビは1番よりも明らかに強くエモーショナルに歌い上げています。
特に素晴らしいと感じるのが、「乱した呼吸を整えて」という歌詞の部分です。
乱れた呼吸を歌で表現するために、あえて「こきゅうを」という部分を「こきゅ・う・を」と切って歌っているのです。
この1音1音の間に強く息を吸うことで、乱れた呼吸を表現しているわけです。
大サビでは、バンドの重厚な音と共に鳥肌の立つような裏声の高音も飛び出します。
③美しいフルCGのMV
今作のMVは、フルCGとなっていますが、まるで1つの映画を見ているかのような満足感が味わえます。
CGの美しさもその大きな要因ですが、大森元貴の感情表現の上手さがよりMVの壮大さを高めています。
音源だけ聴くのではなく、ぜひとも目でも楽しみたい作品だといえるでしょう。
映画『サイレントラブ』も1月26日から公開予定
前述した通り、ミセスの新曲『ナハトムジーク』は早くも名曲の予感が漂っていますが、主題歌となっている映画『サイレントラブ』も大きな話題となりそうな予感がします。
主演は『暗殺教室』や『鋼の錬金術師』、『燃えよ剣』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』などで確かな演技力を身につけた山田涼介が務め、ヒロインは『約束のネバーランド』や『シン・仮面ライダー』『君の膵臓を食べたい』『思い、思われ、ふり、ふられ』などの話題作に出演し国民的女優となった浜辺美波が演じています。
この映画は、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した経歴を持つ内田英治監督がオリジナル脚本で作り上げています。
不慮の事故により目が不自由になったピアニスト志望の音大生とある出来事を機に声を出すことをやめた青年とのラブストーリーは、2024年を代表する映画になるほど素晴らしい作品となる予感がします。
映画とミセスの主題歌の相性も抜群で、おそらくクライマックスでは劇場にいるほとんどの人が涙することになるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、Mrs. GREEN APPLEの新曲『ナハトムジーク』について解説してきました。
レコード大賞を受賞するなど2023年を代表するアーティストとなったミセスですが、2024年第1弾の楽曲もいきなり名曲の予感です。
近年の活躍でミセスのファンになった人も、「名前は知っていて人気なのも知っているけどあんまり楽曲はじっくり聴いたことがない」という人も、ぜひ新曲の『ナハトムジーク』を聴いて、MVも観てみましょう。
きっとその楽曲の素晴らしさに魅了されることでしょう。